grief
1年で1度だけ、落ち着かない日がある。
あの日から、全てが変わってしまった。私が、変えてしまったのかもしれない。
あの日さえなければ、という想いと、あの日があったからこそ、が、
せめぎあう日。
この日がくると、私は何も書けなくなってしまう。時間も思考も、停止する。
いけない方向に陽が傾いていくのを、とめられなかった。
ひとつの世界が、二つに分かれ、走っても走っても追いつかず、遠く。
握り締めた物が次から次にこぼれていく音にさえ、私は気づかなかった。
全てが壊れてしまう事に長い時間は必要とせず、それは本当に、
瞬きする間の、一瞬。全てが一斉に凪いで、時間を止めた。
幸せになって欲しいと願ってくれたあの日から、幸せになる事に、必死だった。
後の1年は酷いものだったよ。想像はしないでいてね。
だけど、私は、幸せになった。とても幸せになった。願ってくれた通りに。
人の幸せを語るのには、誰かの存在が必ず入り組んで、孤独でも孤独なりに
私の幸せを彩るのはいつも「誰かの存在」で、そこにあなたはもう
出てはこないけれど、だけどあなたの一番欲しがっていた 「 家族 」 を
私は代わりに、手に入れた。
これは私の物だけれど、同時にあなたの物でもあるよ。
あなたの大切な私が生きる道は、あなたの道でもあるでしょう?
13日までは苦い時間だったね。泣かないでいる事に必死だった。
ぎりぎりで保っていたのに、21日、あなた名義のあなた宛の荷物を受け取った時
私は、私を、落としてしまった。
あの時、郵便屋が閉めた玄関の音。差し込んだ夕方のオレンジの光を遮り
部屋の中が真っ暗になってしまった時、声をあげて泣いた。
私も、あなたも、いなくなってしまった。
いけない方向に陽が傾き、ひとつだった世界がふたつに分かれた瞬間
目に映ったのは、邯鄲の夢。
ただ、1年に1度だけ、あの頃の匂いや音、言葉を思い出す。
色々、懐かしくて、色々、嬉しかった。温度があって、色があって。
それからとても、悲しかった。楽しかった分、苦しかった。
苦しくて苦しくて、私はきっとこの痛みで死んでしまうだろうと思った。
だけどそれは、罰だ。何も出来ずにいた、私の犯した、罪。
一番思い出すのは、どの時だろう。昨日の事みたいに全部をきちんと覚えているのに
笑った顔はなかなか、思い出せないね。不思議。
泣いた顔はすぐに思い出せるのに。
字くらいゆっくりかけばいいのに字まで急いでいて、膝の上の"あの頃"が
どんどん遠くなって行く。
今日ね、もう忘れたいな、頭も胃も痛くって…と呟きながら薬を探していたら
今の人が後ろを通り過ぎるとき 「 忘れてやるな 」 と言ったんだよ。
ただそれだけ言って、通り過ぎていった。
私の中で生きているから、あなたの時間が流れていく。
色んな人の存在が入り組んで、構築されていく世界の中で、私はちゃんと
いまを生きています。
一つの世界が二つに分かれ、分かれた先から繋がる世界。
その先を想像する事が出来なかったように、何を失くしても、何かが彩り
そうして生きていくのだと、思います。
私が幸せでいる事が、あなたに出来る唯一の事だと信じて。
『 人生を捧げる方より、捧げられる方が辛いのかもしれない。
絶対幸せにならなくちゃ、いけないから。生きる事が罪みたいに 』
--------白夜行より。
====
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あの日から、全てが変わってしまった。私が、変えてしまったのかもしれない。
あの日さえなければ、という想いと、あの日があったからこそ、が、
せめぎあう日。
この日がくると、私は何も書けなくなってしまう。時間も思考も、停止する。
いけない方向に陽が傾いていくのを、とめられなかった。
ひとつの世界が、二つに分かれ、走っても走っても追いつかず、遠く。
握り締めた物が次から次にこぼれていく音にさえ、私は気づかなかった。
全てが壊れてしまう事に長い時間は必要とせず、それは本当に、
瞬きする間の、一瞬。全てが一斉に凪いで、時間を止めた。
幸せになって欲しいと願ってくれたあの日から、幸せになる事に、必死だった。
後の1年は酷いものだったよ。想像はしないでいてね。
だけど、私は、幸せになった。とても幸せになった。願ってくれた通りに。
人の幸せを語るのには、誰かの存在が必ず入り組んで、孤独でも孤独なりに
私の幸せを彩るのはいつも「誰かの存在」で、そこにあなたはもう
出てはこないけれど、だけどあなたの一番欲しがっていた 「 家族 」 を
私は代わりに、手に入れた。
これは私の物だけれど、同時にあなたの物でもあるよ。
あなたの大切な私が生きる道は、あなたの道でもあるでしょう?
13日までは苦い時間だったね。泣かないでいる事に必死だった。
ぎりぎりで保っていたのに、21日、あなた名義のあなた宛の荷物を受け取った時
私は、私を、落としてしまった。
あの時、郵便屋が閉めた玄関の音。差し込んだ夕方のオレンジの光を遮り
部屋の中が真っ暗になってしまった時、声をあげて泣いた。
私も、あなたも、いなくなってしまった。
いけない方向に陽が傾き、ひとつだった世界がふたつに分かれた瞬間
目に映ったのは、邯鄲の夢。
ただ、1年に1度だけ、あの頃の匂いや音、言葉を思い出す。
色々、懐かしくて、色々、嬉しかった。温度があって、色があって。
それからとても、悲しかった。楽しかった分、苦しかった。
苦しくて苦しくて、私はきっとこの痛みで死んでしまうだろうと思った。
だけどそれは、罰だ。何も出来ずにいた、私の犯した、罪。
一番思い出すのは、どの時だろう。昨日の事みたいに全部をきちんと覚えているのに
笑った顔はなかなか、思い出せないね。不思議。
泣いた顔はすぐに思い出せるのに。
字くらいゆっくりかけばいいのに字まで急いでいて、膝の上の"あの頃"が
どんどん遠くなって行く。
今日ね、もう忘れたいな、頭も胃も痛くって…と呟きながら薬を探していたら
今の人が後ろを通り過ぎるとき 「 忘れてやるな 」 と言ったんだよ。
ただそれだけ言って、通り過ぎていった。
私の中で生きているから、あなたの時間が流れていく。
色んな人の存在が入り組んで、構築されていく世界の中で、私はちゃんと
いまを生きています。
一つの世界が二つに分かれ、分かれた先から繋がる世界。
その先を想像する事が出来なかったように、何を失くしても、何かが彩り
そうして生きていくのだと、思います。
私が幸せでいる事が、あなたに出来る唯一の事だと信じて。
『 人生を捧げる方より、捧げられる方が辛いのかもしれない。
絶対幸せにならなくちゃ、いけないから。生きる事が罪みたいに 』
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by guimauve-cafe
| 2012-09-12 03:43
| 考え事
岡山県真庭市在住中。日々の徒然・お裁縫・子育てetc… 「つばめ堂」としての製作日記も載せてます。管理人@槐(エンジュ)
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